子どもが入院になると、病気のことや、治療のこと、入院生活による学校や日常生活への影響、兄弟への影響など、さまざまなことが不安になるかと思います。
今回、実際の経験などから、入院生活でどんなものが必要になるのかをお伝えします。
何かと戸惑うこともある子どもの入院生活、少しでも不安が軽減できるよう、持ち物についてお伝えします。
受診に必要な持ち物
持ち物は、入院する施設の状況や、入院する家族の年齢や疾患、入院期間などによって変わるとおもいます。
まずは入院する施設のホームページで確認したり、入院する際のパンフレットなどで確認してください。
こちらでは一般的な子どもと付き添い入院する家族向けの、入院の持ち物について紹介します。
入院する上で必要になるものです。忘れないように持参しましょう。
- マイナンバーカード、健康保険証
- 診察券(持っている場合)
- 医療受給者証
- 紹介状や検査データ(持っている場合)
- 母子手帳(子どもが低年齢の場合必要になることがある。体重、身長の確認や予防接種の確認、その他出生時の状況や健診の結果などの確認で使用する場合がある)
- おくすり手帳
- 持参薬(内服中のものがあれば)
- ボールペン、サインペン、印鑑(書類の記入や、持ち物への記入などに使う)
- メモなど
事前に問診票への記入や、医師・看護師に病状を伝える際に、正確に、伝え漏れのないように、メモをしておくといいでしょう。(今回の病気の経過、あれば体温表、症状などの記録、既往歴など)

子どもの持ち物

- ・おむつ
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おむつは、病院からの支給(有料)か、持参します。
指示がなければ、持参の方が割安だったり、使い慣れてて安心です。
入院してからは、点滴と血圧計、酸素濃度を測るプローブといった医療機器を、腕や指、足などに付けることがあります。
夜用おむつもあると、夜間シーツを濡らす心配を減らせます。
普段パンツタイプをメインで使用しるような場合でも、状況によってはテープタイプが必須。Lサイズ以上のテープタイプはあまり売っていないが、もっておくと便利。 - ・おしりふき
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おしりを拭くのに必要です。
入院中ベッドから移動できず、手洗いに困ることもあるため、ウェットティッシュ替わりに使うこともできます。(あれば手足口拭き用のウェットティッシュもおすすめ)
- ・食事セット(エプロン、スプーンやフォーク、ストローマグや水筒、フードカッター)
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食事に使うカトラリーを持参します。
衣類を病院で借りたり、点滴中は着替えも大変なため、エプロンはマストです。
身体がつらいこともあるため、ペットボトルに付けられるストローや、ストロー付きの水筒・マグなどがあると便利です。
1~2歳くらいの食事は細かくカットして出されない場合もあります。
フードカッターがあると便利です。
ただし、はさみの持ち込みが制限される場合もあるため、スタッフに持ち込みを確認するほうがいいかと思います。
はさみが持ち込めなかったため、野菜のカットなどを麺カッターや、スプーンできってしのいだり、きれにくいような硬い物は食べるのをさけるようにした。 - ・歯ブラシセット
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普段使用している歯ブラシや歯磨き粉を持参します。
- ・子どもの着替え
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点滴中の衣類は?
点滴中は、前開きのワンピースタイプの病院着を借りることがあります。
足元が冷えないよう、ズボンやレギンスをもっていきましょう。
汗をかいたり、尿が漏れる場合もあるので(点滴で水分量も増えていることから)、ズボンの着替えは多めにあると便利です。
点滴が外れたら?
院内は温かい(20~25℃くらい)ので、厚着ではなくて大丈夫です。
きつめの服は体が休まらなかったり、処置や検査が行いにくいこともあるためさけましょう。
おすすめの服は
- ゆったりとした衣類
- 夜はパジャマ
- 薄手のロンTまたは半袖 + カーディガンなどの羽織るもの
泣いて汗をかいたり、薬の副作用や病気の影響などで便が緩くなることもあるため、下着類の替えも多めにもっておくと安心です。
- ・院内用の靴
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安静度が上がれば、病棟を散歩することができます。
感染症予防からも、砂や泥のついたものではなく、清潔なものを持参しましょう。
安静の影響や、内服薬の影響、寝不足などでふらつき、転倒するリスクもあります。
- ・暇つぶしアイテム
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検温や処置、回診、シャワーやごはんの時間以外は、ベッドの上で安静にしている時間が多いです。
動画視聴だけでは飽きたり、疲れてるので、遊べるものを用意しましょう。
小さな子ども:お気に入りの絵本やおもちゃ、お絵かきセット、シール帳など。
小学生以上:トランプ、ボードゲーム(オセロ、将棋など)、折り紙、シール、勉強道具、ワークや宿題、絵本や雑誌など。
一般的なことですが、以下のおもちゃは避けましょう
- 大きな音が鳴るもの
- 防犯上管理が難しいもの
- 高価なもの
- 誤飲する危険のあるもの
1歳ころは手先を使うシールはりやお絵かきは集中して遊べる。またしかけ絵本があると、遊びながら読むことができる。 3歳ころからは子どもの興味や理解度に合わせたものを。付録の付いた雑誌は、おもちゃで遊んだり、工作ができる。好きなキャラクター図鑑やワークも子どもの興味に合わせて選んであげるといい。また、病気のことや治療への理解を促す絵本は、入院中の生活や退院後の生活で気を付けることの理解などにもつながる。 - ・タオル
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シャワー浴で使います。シャワーが浴びられないときも、お湯で濡らして、体拭きで使うことがあります。
その他、汗を拭いたり、涙を拭いたりするので使います。
- ・洗面用具
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感染や防犯の都合で、シャンプーやボディーソープは、おいてないことがあります。
必要に応じて持参しましょう。
- ・飲み物
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水やお茶など水分補給できるものを準備しておきます。
疾患や治療、手術などの予定がある場合、飲水制限があることもあるため、その際は指示に従うようにしましょう。
飲水量を正確に計測するよう指示がある場合は、軽量できるコップ、あるいは計量カップが必要になることもあります。
- ・子ども用マスク
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マスクが着用できる年齢になったら、必要に応じてマスクを使うこともあるので、持参します。
- ・ミルクセット
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ミルク授乳している子は、哺乳瓶や乳首、粉ミルク、哺乳瓶を洗う洗剤やブラシをもっていきます。施設によって持参するものがかわる場合もあるため、確認しましょう。
- ・子ども用のタオルケット
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病院で用意された掛布団だと、暑くて汗をかいてしまったり、重くて子どもが寝付けないなどの場合があります。
病院への持ち込みが可能な場合は、子ども用のタオルケットやブランケットがあると、寝る時に重宝します。
大人用の枕がなければ、枕の代用にもなる。 - ・おしゃぶり
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必須ではありませんが、普段使用していない場合でも、点滴中などで指しゃぶりが制限されたりすると、安心材料がなくなってぐずりやすくなったりします。
必要に応じてもっておくと、子どもが安心する場合もあります。
- ヒップシート、抱っこひも
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病気の症状がつらかったり、慣れない環境で不安が強くなり、子どもがいつもより抱っこを求めることが多くなることがあります。
点滴中は、管が絡まってしまうこともあり、抱っこひもでの抱っこやおんぶはあまりできません。そのため、ヒップシートがあると、腕や腰の負担が軽減されます。
特に制限がなければ、普段使っている抱っこひももあると、両手が使えて便利です。
付き添いする保護者の持ち物

- ・マスク
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感染防止のために必要です。子どもが暴れてマスクを引きちぎったり、咳などでつばがとぶこともあるため、こまめに変えることがあります。多めに持参しましょう。
- ・ポリ袋
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ぬれた着替えを入れたり、おむつをいれるのに使います。
おむつ捨てなどに使う小さめのポリ袋が複数枚あると便利です(院内に備え付けている場合もある)。
また、おおきい袋は、濡れた着替えやタオルを入れて持ち帰る際に重宝します。
- ・除菌シート、手指消毒薬
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院内にも手指消毒セットは各部屋の入口においてあります。ただし、入院当初は子どもから、なかなか離れられないことも多いため、近くに消毒できるものがあると安心です。
- ・ティッシュボックス
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鼻水を拭いたり、汚れを拭いたりするのに使用します。特に、感染症で入院している場合など、鼻をかむのに使用する場合は、やわらかめの肌に優しいタイプのティッシュであると、肌への刺激が抑えられます。
- ・エコバッグ
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荷物の持ち帰りや、シャワーや売店へ行くのに使用します。
- ・食べ物、飲み物
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病院によっては付き添い食が有料ででることもあります。
味がいまいちであったり、食欲がわかないこともあります。
売店で購入できる場合は、その都度購入したり、日持ちする食べ物を置いておきます。
院内が乾燥していることもあるため、のども乾きやすいです。また、自販機が病棟の外にあり、なかなか買いに行けないこともあるため、水分も多めにおいておくと安心です。乾燥対策に、のど飴などもおすすめです。
疲労回復効果のあるクエン酸入りの飲み物や、ビタミンがとれるような飲み物、免疫を高める効果がある飲み物などもおすすめ。 - ・食器類
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保温、保冷して飲みたい場合は水筒があると便利です。
食事をする際の割りばしなども準備しておきます。
- ・着替え
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汗をかいたり、子どもの泣きや食事で衣類が汚れることもあるため、着替えをもっていきましょう。
夜間はできるだけリラックスして休めるように、ゆったりとした衣類をもっていくといいです。
ちなみに日中は検査に行ったりすることがあるため、できれば日中はパジャマはやめた方が無難です。
- ・メイク落とし、ボディーシート
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シャワーに行けないこともありますので、ボディーシートで身体をふいたり、洗顔の代わりにメイク落としもあると便利です。
- ・身だしなみセット(歯ブラシセット、シャンプーや洗顔フォーム、化粧水、フェイスタオルなど)
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歯磨きやシャワーなどに必要なものももっていきます。付き添い中なかなか子どもから離れることが難しい場合もありますが、子どもが寝ている間などに、歯磨きをしたり、シャワーや肌の手入れなどをすると、さっぱりしますし、気分転換にもなります。
- ・化粧品
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病院であるため、濃いメイクは控えます。日焼け止めや、リップクリーム、最低限自分が必要なアイテム(ファンデーション、アイブロウなど)を、必要に応じて持参します。その他、くしやヘアゴムなど髪を整えるものなどを持参します。
大部屋には部屋の中に鏡がないこともあるので、手鏡があると、ベッド周辺で身なりを整えることができます。
- ・イヤホン
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大部屋での入院中は、他の入院患者さんへの配慮として、イヤホンを使用して携帯やテレビを視聴します。ワイヤレスのものは、小さな子どもの誤飲や紛失が心配なこともあるので注意しましょう。場合によってはコードのあるものを準備しましょう。
- ・台所用洗剤、スポンジ
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食器を洗うのに使います。水だけではカレーなどの着色や汚れも取れにくいですし、1日3~4回は洗うので、もっていくと便利です。洗剤は小分けのケースに入れたり、スポンジもメラミンスポンジなど小さめのものをもっていくと、かさばりにくいです。
- ・メモ帳
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医師の説明や、スケジュールの把握、気づいたことや確認したいことなどをメモしておくのに使います。携帯のメモ機能でもいいかと思います。
- ・リラックスアイテム
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入院中は、部屋やベッドから出られないなど、何かとストレスになります。そのため、ベッド上で自分がストレス発散できる方法をみつけておくといいです。
疲れがたまったり、長時間の抱っこで肩こりになったり、不安感などで交感神経優位になっています。そのため目や肩を温めるシートを使うと、リラックスすることができたり、肩こりが軽減します。
また病院は暑く、靴がむれたり、汗をかくこともあります。そのため、足うらやふくらはぎを冷やすシートなどがあると、清涼感をえられます。
また、本や雑誌など、子どもが休んでいるときに読むのも気分転換になります。
- ・靴
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子どもを抱っこしていると、よろけたり転倒のリスクもあります。そのため踵のついている靴を用意します。
土や泥がついて清潔でない靴や、ブーツなど着脱が大変な靴、ヒールのある靴は控えます。
- ・その他必要に応じて コンタクトレンズ、メガネ、持病の薬、生理用品など
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ご自身の健康管理や、日常生活で必要なものを持っていきます。
- ・扇風機、うちわ
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必要に応じて暑いときは持参します。
- ・消臭スプレー
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靴のにおいが気になる場合など、必要に応じて持参します。
- ・携帯、充電器(要確認)
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Wi-Fiが使える場合もあるので、院内の冊子などで確認してみてください。
病院によっては、院内での充電ができない、あるいは、モバイルバッテリーの持ち込みが制限されていることもあります。また、持ち込みが可能な場合でも、充電する際は、指定されたコンセント口や、赤色のコンセント口を使用しないよう気を付けましょう。赤色のコンセント口は、非常時対応の医療器材に使用するものである場合がありますので、注意しましょう。
充電する際は院内で充電が可能か確認し、できない場合は自宅で充電または、指定の充電器を使用するようにしましょう。
- ・現金
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院内での買い物で使う最低限にしましょう。盗難がないわけではないため、入院中は基本的には多くの現金やクレジットカードは持参しないようにします。退院時の支払いは、家族に持ってきてもらうようにしましょう。
まとめ
子どもの入院中の荷物についてまとめました。病状や子どもの機嫌の影響、病院といった特殊な環境であることを踏まえ、持ち物リストを作成しました。
特に急に入院になったり、たとえ予定入院だったとしても、入院した日や翌日は慌ただしくなることもあり、持ち物がなくて困ったりすることもあると思いますので、よろしければ参考にしてみてください。
病院によっては、特定の荷物の持ち込みが制限されていたり、持参しなくても院内での貸し出しや提供サービスなどを行っている場合もあるため、施設の案内を確認してみてください。
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